「千禧雙口瓶」は水里蛇窯陶芸文化園区における大きな視覚的なシンボルのひとつです。921大地震(1999年9月21日に発生した大地震)により地域は甚大な被害を受けましたが、その傷を癒やすため、2000年に「雙口瓶」を制作し、世界一高い陶器としてギネス世界記録を樹立しました。この試みによって、人々に復興の道は決して苦しいばかりではないという希望を届けようとしました。
雙口瓶は伝統的な陶器成形技術である「土条圈泥法」によって作られました。地震が発生したその年の12月から制作を開始し、翌年6月にようやく完成。焼成にはこの作品専用に設計された縦型の薪焼き窯が使用され、クレーンを使って現地で組み立て・分解を行ないながら焼き上げました。そのデザインの着想は、台湾のことわざ「雙雙對對萬年富貴(仲睦まじく共に栄える)」に由来し、雙口瓶はすべての恋人たちへの祝福の思いを込めて作られました。