南投県水里は歴史の趣と生活の温もりが詰まった山あいの町です。ここには台湾に現存する最古の蛇窯があり、また車埕には製材業で栄えた歴史をもつ昔懐かしい集落もあります。かつて木材を貯蔵していた貯木池には、湖畔の遊歩道を歩く観光客の姿が水面に映り、まるで詩や絵画のような美しさです。永興の老牛車が通っていた樟脳の村には、古民家や神木が今でも村の入口で静かに見守り、親子で農村体験ができる場所として親しまれています。車埕村には石造りと木彫りの土地公が隣り合わせで祀られている唯一無二の「雙土地公廟」があり、昔の客家人の開拓精神が色濃く残っています。また、槑レジャー農業エリアには、水里の梅、ブドウ、甘柿、ネーブルオレンジなど四季折々に異なる楽しみ方があります。水里を歩けば、林業・陶芸・農村・鉄道にまつわる地元の物語を綴った一冊の本をめくるような体験ができ、じっくりと訪れたくなる場所です。