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「小粗坑古道」は粗坑溪に沿って続いています。さらさらと流れる渓流は豊かな生き物の生態を育み、さわやかな鳥の声が聞こえ、木々の緑が陽の光を遮ってくれるため、一年を通じて快適にハイキングが楽しめます。かつての小粗坑は牛車道でした。たくさんの歴史物語が演じられた場所でもあり、ゆっくり訪れじっくり味わいたいところです。
先ずはオンラインで映像のなかの「小粗坑古道」を歩いてみましょう!
- 3-5月は周辺の油桐が開花しロマンチック
- 4-5月は18-21時頃ホタルが見られる
- 渓流から十分な水分が供給されるためシダ類と台湾原生植物が豊富
- 予約方法:電話:+886-3-4992241、+886-922-032173
- 料金:1時間 800元 (ツアーアレンジは無料)
- 休日は1ヶ月前、平日は2週間前の予約をお勧めします
- 4-8月はヤマムスメの繁殖期。ヒナを守るため攻撃することがありますので、近づかないでください
- 環境保護は一人一人の責任です。ゴミはお持ち帰りください
- 出入口にも途中にもトイレはありません。高原インターチェンジの「台湾中油ガソリンスタンド(桃園市龍潭区龍源路2之20号)」か桃園市龍潭区「高平社区発展協会(桃園市龍潭区龍源路11号)」でトイレをお済ませください
古道北端の入口位置には、周辺住民が信仰を寄せる「伯公廟(元「佑福徳祠」)」があります。客家庄でしばしば祀られる伯公の他、1980年の改修の際に住民が特注した子供を抱いた伯婆もいっしょに祀られています。伯公と伯婆を一ヶ所で祀るのは非常に珍しく、この廟の大きな特色となっています。
粗坑は旧名を「出坑」といい、客家語で「水源」を意味します。古道を歩いていると、川の周囲に角ばった岩が大量にあることに気づくでしょう。これは川の上流でしか見られません。かつて小粗坑北端の開けた場所は石切場で、石は牛車で運ばれていました。粗坑、関西、十寮、馬武督を往来する牛車は農産物なども運んでいました。古道の中で比較的道幅が広く歩きやすい前段部分はかつての牛車道なのです。途中では草木の根元に隠れた石垣も頻繁に現れます。これは開拓民のかつての生活の跡なのです。
古道に近づくと、ハイカーを迎えるようにさえずる鳥たちの声が聞こえて来ます。澄み切ったさえずりの多くはヤマムスメとシロガシラです。初夏はトカゲ、カエルなど爬虫類、両棲類がたくさん現れます。小粗坑は水が豊かで、自然環境もよく守られていることから、4〜5月にはたくさんのホタルを観察することもできます。ここはホタル鑑賞で有名な場所でもあるのです。
古道の前段にはヘゴ、ヒカゲヘゴが多く、中段は川に近く湿気が高いため、シダ類などの耐陰性植物が多くなります。客家の民は自然の素材を利用し、暮らしや農作業に使う道具を作ってきました。クロツグは蓑の主な材料であり、ウラジロエノキは「碌碡」と呼ばれる農耕器具の材料となってきました。
三坑老街はかつて「桃園龍潭第一街」と讃えられたほど、往時は三坑子で最も栄えた埠頭の一つでした。豊かな水は、小粗坑古道と周辺の谷から湧き出しているのです。この地は発祥から発展まで、すべてが水と切っても切れない関係にあります。地元住民も水をうまく利用し、暮らしに生かしてきました。老街の外側にある「黒白洗」は洗濯場です。女性たちが洗濯しながら、おしゃべりに花を咲かせた場所だったのです。
三坑老街はアーケードがついた、かつての建築様式を残しており、休日には多くの行楽客でにぎわいます。ここは有名な台湾映画「大尾鱸鰻」、「愛讓我們在一起」のロケ地でもあります。老街内では客家菜包(干し大根入り餅)、艾草粄(よもぎ餅)、牛汶水(砂糖水に浸した餅)など必食の客家グルメを味わうこともできます。
1744年に建立された永福宮は三坑老街の中心にあります。二百年余りの間に三度の移転を経て、1924年に現在の地に落ち着きました。主祭神は天、地、水の三界を司る三官大帝です。そのため「三界爺」または「天神爺」と呼ばれています。農耕の民である客家の人々は、開墾でも灌溉でも水を頼りにしていました。そのため三界爺は客家文化において篤い信仰を集めているのです。桃園には三界爺を主祭神とする廟が22あり、每年「三界爺文化祭」を開催し、貴重な祭祀文化を伝えています。
三坑老街から約200メートルのところにも、「青銭第」という有名な古民家があります。1895年の日清戦争時に建てられた百年以上の歷史を有する三合院です。「青銭第」は個人の所有なため、見学することはできません。
「三坑自然生態公園」は敷地面積約3.8ヘクタール。湖畔の景色と青々とした草地が心地よく、「三坑鉄馬道(自転車道)」につながり、サイクリングも楽しめます。「三坑自然生態公園」は「クスノキの細道」の起点でもあります。公園入口にはインスタ映え間違いなしのオブジェが設置され、担ぎ棒を使った細道の建設を示す、または公園内のインスタレーションにより龍潭三坑の昔日の面影を描き出しています。ここは地元産業が茶、米、樟脳、砂糖などを海外へ輸出する際の重要な港でした。これらインスタレーションで、三坑の歷史と文化に対する理解を深めることができるでしょう。
「小粗坑古道」付近にはさらにもう一つの歷史的旧跡-大平紅橋があります。大平紅橋は1923年に掛けられ、すでに百年に近い歷史を経てきました。赤レンガで作られた橋は、もち米(糯米)ペースト、黒砂糖を石灰に混ぜ込み、固定に使われました。そのため地元では「糯米橋」と呼ぶ人もいます。橋は長さわずか十数メートルですが、往時は大平里から外へと続く大切な連絡道でした。大平紅橋は保存状態が良く、優雅でレトロな姿が、近頃では映えスポットとして人気です。付近は水に親しめる公園として整備され、自然に触れられるお出かけ先としておすすめです。
龍潭駅か龍潭区公所から「楽活バスL727かL728」に乗り、「十股」で下車。台3線を北へ750メートル進み、右折し粗坑路へ入り、さらに400メートル行った先の分かれ道で左へ向かい、突き当たりまで行くと「小粗坑古道」の入口です