台61号線の西濱快速公路は北から南まで台湾西部沿海の郷鎮(町村)を繋いでいます。ここは海線の住民にとって最も重要な交通幹線です。今回は台61号線の西濱快速公路を車で走り、苗栗へ海線旅行に出かけましょう。西濱快速公路を真っすぐ進み、後龍、通霄、および苑裡などの苗栗沿海の客家の郷鎮(町村)を進みます。私と一緒に苗栗の西濱公路の景観スポットの旅へと出かけましょう。
台61号線の西濱快速公路は北は八里から南は台南七股まで、台湾南北の沿海の郷鎮(町村)を貫いています。これは台湾で最長のフリーウェイです。台61号線の西濱フリーウェイはこれらの沿海の郷鎮(町村)を繋ぐだけでなく、外から訪れた旅行者にこれら二線の郷鎮(町村)を知ってもらえる沿海地帯で最も良い入り口となっています。
苗栗の景観スポットと言えば、近年はロマン台三線が看板となっているため、多くの人々は人気の三義や南庄、銅鑼など山線寄りの街へ散策に出かけますが、実際は台61号線沿いの後龍や通霄、苑裡も客家文化が集結している小さな街です。今回は西濱公路沿いの海線の小さな三ヶ所の町へ向かい、いつもとは異なる苗栗の風景を発見しましょう。
後龍と言えば、何を思い浮かべますか?あるいはこれらの海沿いの小さな街を知っている人は少ないかもしれません。しかしもし機会があれば高鉄に乗って苗栗へ向かってみてください。高鉄苗栗駅の場所は後龍鎮にあります。後龍は海に面した小さな街で、台鉄海線に繋がっており、周辺の通霄、竹南と一緒に苗栗の海線を静かに見守っています。
2014年に落成した苗栗客家円楼は高鉄苗栗駅特別エリアに位置します。高鉄苗栗駅の隣に位置し、完成初期は多くの議論と話題を巻き起こしました。ここは高鉄苗栗駅周辺の最も近い景観スポットです。苗栗の客家円楼は昔の客家の土楼をモチーフに建造されており、地下一階、地上三階となっており、周辺の公園と組み合わさり、市民のレジャーや文化展覧のために使用されています。休日にはファーマーズマーケットが開催されたりもします。2014年には台湾全土で人気が爆発した五大景観スポットの二番目に選ばれました。周辺の北勢渓親水廊道や英才書院、および市街の景観スポットも一緒に散策することをおすすめします。
- 住所|苗栗県後龍鎮校椅里7鄰新港三路295号
- 営業時間|09:00-17:00,火曜定休
「英才書院」の前身は「閩南書院」で、苗栗の客家円楼と同じく苗栗後龍にある高鉄特定エリア内に位置します。これは後期に建てられた新設の建物ですが、入り口のホール、講堂、左右学舎、曲がりくねった回廊、文昌祠、遊水池に架かる狀元橋など、いずれも福建省南部の建築様式と書院の雰囲気を反映しています。園内には文昌廟、講学堂、大成殿、静態展示区、動態展示区などの施設があり、文昌皇帝を崇拝する多くの受験生が集まっています。中庭では古代の衣装に着替えることができ、行楽客の方はレトロな衣装で写真を撮ることができます。懐かしい時代の空気を味わえます。
- 住所|苗栗県後龍鎮新港三路700号
- 営業時間|09:00-16:50,月曜定休
- オフィシャルサイト|ここをクリック
苗栗後龍鎮の好望角は夕陽観賞スポットとして知られています。天気がよい時には台湾海峡の美しい景色を見られます。最初に好望角を知ったのは大学生時代に同じ寝室だったルームメイトが彼の故郷である苗栗へ遊びに連れて行ってくれた時でした。彼は三日かけてバイクで私を苗栗の隅々まで案内してくれました。ここは当時、彼が私に必ず好きになるスポットがあると言ってくれた場所であり、また、彼らが苗栗にいる時は時々訪れる景観スポットということでした。それが後龍の「好望角」です。
私が初めて苗栗県通霄鎮を訪れたのは学生時代の2010年で、初めて台鉄の電車に乗って台湾島を一周した時です。その時「通霄」という特別な地名に惹かれました。というのは、私はビジュアルコミュニケーションデザイン学科で学び(通称「肝臓が爆発する学部」と言われています)、宿題のために日々、徹夜(通宵)して夜明けまで起きていることが多かったからです。通霄鎮を訪れたときに自分が徹夜(通宵)をしていることを思い出し、街歩きせずにはいられなかったのです。
白沙屯拱天宮の媽祖廟は白沙屯の住民にとって信仰の中心です。白沙屯駅から左前方の道路を真っすぐ進むと白沙屯で最も賑わう集落に到着し、平面交差点を渡ると拱天宮媽祖廟へと到着します。ここに祀られている媽祖神像は拱天宮自体よりも歴史が古く、地元の人々は「大媽」と呼んでいます。毎年北港へ向けて媽祖巡行に出発しますが、白沙屯拱天宮の媽祖巡行はルートが固定されていないことで知られています。一日どれほど遠くまで歩くかも決まっていません。すべてが媽祖様のその時の思し召しによって決まります。 毎年百万人もの人々が参加し、台湾中部海線エリアで最大のイベントとなっています。神輿が静かな白沙屯に戻る時には大勢の巡礼者が殺到し、空前の活況となります。ただし、祭典の時期でなくても、寺廟両側の商店は賑わっており、あらゆる種類の土産物、軽食、農産物が販売されています。きらめく壮大な寺廟は通りの端に堂々と聳え立ち、何百年もの間、静かに白沙屯集落を見守ってきました。
- 住所|苗栗県通霄鎮白東里白東8号
- 営業時間|04:00-21:30
- オフィシャルサイト|ここをクリック
かつて台湾が日本に統治されていた時代、各地には大小様々な神社がありました。しかし時代の変遷とともに消失した神社もあれば、廃墟となった神社もあり、幸運にも保存された神社もありました。 現存する神社の多くは「台湾化」され、改修・改造され、日本の神社と作りは同じですが、外側は少し違いがあります。 通霄虎頭山にある通霄神社は当時から保存されていた神社の一つで、第二次世界大戦後は拝殿は「忠烈祠」に使用され、神社の上には国民党の党章の模様が見られます。中国と日本の建築様式が組み合わさった非常に特徴的なスタイルで、2002年11月26日に歴史建築に指定されました。
- 住所|苗栗県通霄鎮虎頭山公園
- 営業時間|園内は天候に関わらずオープン
飛ぶ蝶と乳牛の牛から名付けられた「飛牛牧場」は通霄に古くからある農場です。ここは通霄で最も定番のファミリー向けの観光名所となっています。 牧場は生活、生産、生態、栽培、保育、復育、教育という発展戦略により広大で緑豊かな敷地となっています。牧場の芝生ではホルスタイン牛やジャージー牛が見られ、そのほか、蝶生態館や羊生態館、専門的な乳牛飼育エリアなどがあります。子供たちはウサギや羊の餌やりを体験できるだけでなく、乳搾りやベーキングイベント、工芸活動などの牧場ワークショップを楽しめます。 園内には飲食物を提供する商店があるほか、宿泊できるロッジもあるので、一日滞在できます。子どもたちのエネルギーを発散させ、自然に親しむのに適した牧場です。
- 住所|苗栗県通霄鎮南和里166号
- オフィシャルサイト|ここをクリック
私が初めて苗栗県苑裡鎮を訪れたのは大学時代の親友からの招待でした。苑里出身の彼が夏休みに故郷の苑里へと連れて行ってくれ、街の中を歩き回ったことを覚えています。 ディープな町案内の帰り道、私は好奇心から彼に「故郷の何が素晴らしいか?」を尋ねました。すると、彼は「藺草」だと答えました。 数年ぶりに再び苑裡を訪れた際、苑裡の景勝地や風景についてはあまりよく覚えていませんでしたが、まったく見知らぬ土地のようには感じませんでした。
苑里は苗栗で最も古くから開発されてきた町の一つで、苑里老街がある天下路は苗栗の中でも町屋が比較的良い状態で保存されている老街です。建物の一部にはバロック風の華麗な装飾が見られ、いくつかのファサードには赤レンガと洗石子(テラゾー)という昔ながらのスタイルが残されています。ただし、時間が経過してしまっているため、少しまだら模様が見えます。 隣には賑やかな市場がありますが、老街は空き家率が高く、改修後に残っている数少ない家は昔ながらの面影が感じられないものとなっています。 数歩歩くと、昔懐かしい古い理髪店が目に入ります。薄暗い空間にはガラス窓から陽光が差し込み、テーブルには髭剃りや散髪用のハサミが並べられています。 50歳を超えたベテラン理容師はデッキチェアで昼寝をし、隣のテーブルには朝食の食べ残しが置かれています。今日はどうやら客が来ないようです。 店内には40年以上の年季が入った椅子が2脚あり、理髪師と同じく新しい客の到来を待っています。店内の調度品は当時のままの雰囲気を残していますが、数え切れないほどの顔を映してきた鏡は時代を経ても明るくきれいな状態に保たれています。
- 住所|苗栗県苑裡鎮天下路
藺草(い草)は苑裡における発展の基盤であり、十字に交差させる基本的な編み方によって賑やかさと繁栄を生み出してきたかのように見えます。 老街にある「振発帽蓆行」は 1922 年に創業され、苑裡の藺草産業の栄枯盛衰を見届けてきました。 店のおばあさんは白髪を頭に浮かべて、ゆっくりと微笑みかけてくれます。これは長い時間に培われてきたおもてなしでもあります。苑裡は藺草の故郷であり、「帽子とゴザ産業」で繁栄しました。最盛期には天下路の各家庭が藺草産業に従事し、多くの中規模商店が藺草産業で起業しました。現在、藺草の需要は昔ほどありませんが、今でも老街にはいくつかの店が残っています。 振發帽蓆行では苑裡特産の三角藺草を使用し、手工芸品を製作しています。気に入った帽子や特製草履を購入して身に着けてみましょう。藺草の感触から時代によって培われてきた細部までのこだわりを感じられます。
- 住所|苗栗県苑裡鎮天下路159号
- 営業時間|16:00-18:00
藺草(い草)は苑裡における重要な伝統文化産業です。私が最初に苑裡鎮を旅した時に苑裡出身の友人が特別に紹介してくれた文化の一つです。藺草はまたの名を「燈心草」、「蓆草」と言い、旺盛な生命力を有し、主に大安渓﹑房裡渓、苑裡渓下流の湿地で育ちます。苑裡の住民たちはかつて藺草の強靭な特性を発見し、この植物を栽培し、各種生活用品を加工し、次の世代を育ててきました。こうして苑裡の文化産業となりました。
日本統治時代には苑裡の藺草編みはより多く日本へ輸出されるようになり、当時はハイセンスで精緻な工芸品として苑裡人の人々にかなりの収益をもたらしました。伝統的な男尊女卑の概念が苑裡では全く逆となり、女性は藺草を編めるため、男性よりも外で稼ぐことができ、価値があると言われていました。現在、行楽客の方に苑裡の藺草文化を知ってもらうため、苑裡鎮農会傍には藺草文化館が設立されています。館内には貴重で優美な藺草工芸技術が保存、展示されています。これは行楽客の方が苑裡の藺草の文化を知るための玄関口となっています。館内では旅行者の方に藺草編み体験を提供しています。詳細は電話でお問い合わせください。体験予約もできます。(03-774-1319)
- 住所|苗栗県苑裡鎮彎麗路99号
- 営業時間|09:00-17:00(毎週月曜休館)