新社に隣接する「東勢」は、日本統治時代より木材輸送に必要な鉄道の支線が通い、また台中における客家人の重要な居住区となっています。新社や谷関にも隣接しており、観光で立ち寄る旅行者も多いエリアです。この記事では、東勢の観光スポットとグルメをまとめました。半日や1日プラン、新社と谷関にも足を延ばして台中に宿泊する1泊2日のプランなど、カップルや家族旅行にも最適です。一緒に東勢へ出発しましょう!
東勢地区の旧称は「東勢角」で、以前は「東勢鎮」と呼ばれており、台中市の東部に位置しています。東は和平区に隣接し、西は石岡区と后里区、南は新社区に接しています。地理的に山岳地帯に位置するため、高速道路や鉄道などの交通路は通っておらず、訪れる際は時間がかかることがあります。自家用車での移動は国道1号線および国道4号線経由で石岡を通ります。公共交通機関を利用する場合は、豊原駅からバスへの乗り継ぎが必要です。地域住民のほとんどは客家人であり、主に大埔の方言が使われています。
「東勢客家文化園区」は、かつては東勢駅でしたが、輸送需要の低下により閉鎖、その後「東勢客家文化園區」として生まれ変わりました。ここでは東勢の客家文化に関する様々な展示があり、客家式の寝台や結婚式で花嫁を載せる駕籠、客家の料理、客家の人々にとって大切な子供の成長と幸せを願う伝統行事「新丁粄節」などが紹介されています。東豊サイクリングロードの始点及び終点となっており、多くの人が后里馬場から自転車でやってきて観光を楽しんでいます。また、園区外にはレンタサイクルがあり、緑のトンネルのような美しい並木道を楽しみながら后里方面に向かうことができます。
- 住所|423台中市東勢区中山路1号
- 営業時間|09:00–17:00・月曜休み
- 入園無料
「台中客家故事館」は日本統治時代に建てられた東勢公学校の宿舎でした。2010年に5,000万台湾ドルをかけて改修され、木造の日本建築や畳、当時の床板などが保存されています。館内には書画や客家文化、東勢文化に関する展示が多数設けられています。デジタルのゲームを組み込んだ展示や客家語を学べるゲームもあり、大人も子供も楽しめる雨の日の観光スポットとしても最適な屋内施設です。
- 住所|423台中市東勢区第五横街12号
- 営業時間|09:00–17:00
- 入園無料
林業文化園区と言えば、すぐに思い浮かべるのは宜蘭にある「羅東林場」かもしれませんが、実は「東勢林業文化園区」はかつて東南アジア最大の貯木場でした。園区内には、台湾で初めて導入されたアメリカ式の一貫作業方式の工場がありました。現在は林業地としての機能は失われましたが、かつての貯木池は現在台湾で唯一の単一品種のみが生育する大規模な蓮の池になり、毎年7月から8月にかけて満開の蓮を見ることができます。さらに、木彫りの作品や「森の家」もあり、台湾の林業文化と発展をより深く知ることができるスポットになっています。
- 住所|423台中市東勢区東関路六段1368号
- 営業時間|水曜~日曜06:00–18:00(夏季7、8月は毎日営業)
- 入園無料
「老祖早餐灌蛋餅」は東勢で人気のご当地グルメ。オーナーは毎日手作りで生地を伸ばし、丸い生地を胡椒餅を焼くような窯で焼き、取り出した生地に穴を開けて卵液を流し入れ、さらに鉄板で焼いて完成という非常に特殊な作り方で、手間がかかるだけでなく、近距離で高温に耐えなければなりません。しっかりとした食感の灌蛋餅は、お店自慢の濃厚な豆乳と一緒にいただくのがお薦めです。
- 住所|423台中市東勢区勢林街245号
- 営業時間|06:25–11:00・月曜休み
「一滴水拉麵」は東勢人にとっては日常的な味、私も最初は東勢の友人から特別に紹介されて知ったお店です!店名だけ見るとラーメン店のようですが、実際の名物は「豚軟骨麺」!柔らかく煮込まれた豚軟骨とお肉は、歯がなくても食べられるほどの柔らかさ!スープはあっさりとしたラーメン風の味付けで、ほとんどのお客さんがスープまで全部完食するのだとか!訪れた友人たちからも高評価のおすすめグルメです!
- 住所|423台中市東勢区豊勢路116号
- 営業時間|11:00–14:00、16:30–19:30・月曜休み
東勢には古くから客家人の集落があり、林業も発展したことから、特色ある老舗の食堂が多く存在します。市内にある「老黑輪肉圓店」もその1つで、肉圓(肉餡を澱粉粉の生地で包んだ料理)とおでんを販売しており、食事時は多くのお客さんで賑わっています。店内はいつも混雑しており、地元の人はまず肉圓を注文してからお好みのおでんを選びます。おでんのスープはおかわりが自由で、野菜の甘みや大根の旨味が合わさったすっきりとした味わいです。おすすめのおでんの具は、黄金卵、板豆腐、豚の血ともち米を固めた米血や竹輪。一つ一つが大きくて価格も非常にお手頃です!
- 住所|423台中市東勢区第五横街66号
- 營業時間|11:00–18:30・月曜休み
- おすすめ|肉圓・おでん
東勢には伝統的なお店だけでなく、最近では都会からUターンした若者がオープンするカルチャー系のお店も続々と登場しています。「第四横街那家」はその一つで、お店が第四横街にあることから、そのまま店名になっています。まさに隠れた名店で、看板メニューは「黒糖タピオカミルクティー」と「黒糖かき氷」、タピオカや小豆などの具材は店主自ら仕込み、その日の分が売り切れ次第終了です。濃厚な味わいと黒糖の香りも楽しめる、東勢の夏の暑気払いにも最適なデザートです!
- 住所|423台中市東勢区第四横街39号
- 営業時間|12:00–18:00・月曜休み
外出した際にドリンクを買って飲むことは特段珍しいことではありませんが、客家文化が中心の東勢では、ドリンク店にも「客家擂茶」(穀物や豆などをすり合わせてお湯でといた飲み物)があります。地元発祥のドリンクチェーン店「晴客」には、「客家擂茶」に、タピオカやチーズ、ミルクなどさまざまなトッピングを組み合わせることができます。看板商品のフルーツティーのシリーズも人気です。東勢を訪れる際は、ぜひ飲んでみてくださいね。店内の壁にはさまざまな客家語が表示されているなどインテリアも凝っています。客家擂茶を楽しみながら客家語を学ぶことができますよ!
- 住所|423台中市東勢区三民街60号
- 営業時間|09:30–21:00
閩南人のもち米を使った料理と言えば、「紅龜粿」(もち米で作る赤い亀形の菓子)と「草仔粿」(伝統的な草餅)を思い浮かべますが、客家人にも独自のもち米料理があります。それが「新丁粄」です。毎年春節後の元宵節に開催される「新丁粄祭り」は東勢の一大行事です。様々なイベントや物販だけでなく、ダンスのパフォーマンスや平安を願っての巨大な「新丁粄」のふるまいなど、「北天燈(北部のランタンフェスティバル)」や「南蜂炮(南部の伝統的な花火行事)」にも引けを取らないほどの盛大なイベントです。
- 住所|毎年のイベントの公式発表をご確認ください
- 営業時間|毎年のイベントの公式発表をご確認ください
- 入園無料
毎年3月から4月にかけては蛍のシーズンです。台湾では苗栗や南投など、多くの場所で蛍を鑑賞することができますが、豊かな生態系が保たれている東勢でもたくさんの蛍を見ることができます。空が暗くなると、ちりばめられた緑の光がきらきらと輝きだし幻想的な風景が広がります。
- 期間|季節限定約3ヶ月
- 入園無料
東勢の石角溪に架かる「龍神橋」は、優美にして勇壮なたたずまいが印象的な4連アーチの橋です。もともとは龍形山の下にある劉屋伙房集落に暮らす農民たちが田畑に行ったり、学生たちの通学のために建設された石橋でしたが、ある年の大雨による洪水で橋は大きく損傷。復旧が不可能であったことから新しい「龍神橋」が建設され、車両の通行が可能となりました。古い橋は「旧龍神橋」と呼ばれており、毎年10月に台灣欒樹(タイワンモクゲンジ)が色づき橋を鮮やかに彩ると、多くの写真家たちが訪れる景勝地としても注目を集めています。
- 住所| Google map座標「24.247551, 120.839924」
- 期間|台灣欒樹の見ごろは毎年10月頃
- 入園無料