「牛牛蛋糕坊」に足を踏み入れると、焼きたてのお菓子の甘い香りがふわっと広がります。ショーケースの中でひときわ目を引くのが、箱に並んだ「開口獅花生餅」です。外はこんがりとした黄金色で軽くサクッとした食感、ひと口かじると、香ばしいピーナッツの風味が口いっぱいに広がります。
このクッキーには崙背産の落花生が使われており、丁寧に焼き上げられています。サクサクの生地と濃厚な餡が絶妙に調和し、パッケージに描かれた「開口獅」は詔安客家文化の要素が取り入れられていて、お菓子を手にするだけで、崙背の祝福までも持ち帰ることができるような気分になります。
「開口獅」は崙背に暮らす詔安客家の人々にとっての守り神で、一般的な石獅子とは異なり、四角い口をしているのが特徴です。これは「詔安獅陣」の独自のマークであり、邪気を払い、平安を守る意味があります。なかでも「青獅」は特に位が高いとされ、尊ばれています。「開口獅花生餅」はただの美味しいお菓子ではなく、詔安客家の文化鏑意義が込められた贈り物でもあるのです。