客庄小旅行

苗栗県西南に位置する苑裡は山と海に面した小さな集落です。元々は平埔族の湾麗社の所在地で、「彎麗」は客家語で「房裡」の発音と似ているため名づけられました。後に現在の「苑裡」という地名になりました。大安渓の沖積平野上には自然に恵まれた風土条件が揃い、ここは「台湾い草編みの故郷」となっています。同時に、台湾の「穀倉のふるさと」とも言われています。その独特な歴史や文化的背景から苑裡はコンテストで台湾の「代表的な小さな集落」のトップに選ばれています。旅好きの人たちは見逃せない目的地です。

苑裡は早くから開発されてきたため、ディープな歴史と豊富な産業文化を有し、い草の農産品で知られています。苑裡で生産される三角藺草で編まれてできた「大甲ござ」や「い草帽子」は全世界で一世を風靡しました。小さな集落をのんびり散策すると、そこかしこで土石でできた三合院の伝統家屋が見られます。水田と赤レンガの瓦、伝統家屋と百年の歴史をもつ市場、日本式の木造宿舍が詩情溢れる農村風景を織りなし、何度も思い返す景色を作り出しています。今日は荷物をまとめて苑裡へ老建築を探しに訪れましょう。編み工芸の独特な文化と歴史の痕跡を見られます。

• 「苑港漁港」はかつて「全国の魅力的な漁港トップ10」に選ばれたことがあり、素朴で落ち着いた雰囲気の伝統的な漁村です。彩虹景観橋はここのランドマークであり、波の音を聴きながら黄金に輝く夕陽がきらめく波間に沈む光景が眺められます。遠くには港に戻ってきた漁船が共鳴し合う様子も見られます。心が開放され、無限の心地よさと歓びを味わえます。
• 出水ビーチは近年「抹茶石ビーチ」という名の美しい景色で広く知られています。毎年4、5月になると、200メートル続く「緑石槽」が見られます。これは海辺が翡翠のようになり、陽光が降り注ぐと魅力的な緑色の光りを発します。撮影愛好家が訪れる撮影の聖地であり、Instagram上でも人気のチェックインポイントです。
• 山脚小学校は日本統治時代に建てられた宿舍群を利用しており、伝統的な日本式の木造建築がメインとなっています。山脚小学校の一角にある赤レンガを敷き詰めた小道を進むと、木造平屋建ての古い宿舎が4棟建っています。木の廊下を歩くと、宿舍外の青々とした草地が見られ、おはようと挨拶を交わす静かな時間にタイムスリップしたかのようです。
• かつて苑裡は「藺草の故郷」と美しい名称をもちました。地元の女性たちはい草を編んでゴザや帽子などを作り、これらは世界中で販売されていました。このい草織の歴史を記念し、放置されていた旧農会倉庫を改修し、「藺草文化館」を創立。ここではい草の伝承や物語を展示しています。苑裡で必ず訪れるべき景観スポットであり、かつてのい草織りの匠の精神と美しさを感じることができます。
• ここは交通の要衝に位置し、かつて「房裡古城」として栄えた歴史をもちます。今はすでに歴史の一部となっていますが、道路の角を曲がると、古城の跡を見つけられます。素朴で懐かしい風情の赤レンガの伝統家屋や寺廟の広場、街角に点在する土壁の老家屋は探訪するのに値します。古都らしい優雅さと物語を感じられます。