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「老官道」は「老官路」とも呼ばれます。苗栗県大湖鄉にあり、往時は重要な公用路でした。2019年に補修された北セクション約4キロ分は、多くが原生林の中を通ります。南セクションは全体が産業道路で、暮らしの風景と林相が豊かです。竹林、山道をお好みの方は北セクションを、歷史や文化を味わいたい方は南セクションをお選びになるか、車で名所を回ってもいいでしょう。
先ずはオンラインで映像のなかの「老官道」を歩いてみましょう!
- 北セクションは大部分が竹林で、快適なトレッキングが楽しめる
- 産業道路である南セクションには多数の展望スポットがあり周囲の景色が見渡せる
- 「老官道」沿線と周辺には史跡、旧跡がたくさん
- 北側の水頭福徳祠でトイレを借りることができます
- 降雨時は足元が滑りやすくなりますので、トレッキング時には慎重に検討の上、十分にご準備ください
- 環境保護は一人一人の責任です。ゴミはお持ち帰りください
- 農家が丹精込めて育てた果物を、絶対に勝手に採らないでください
「老官道」はかつて大湖と卓蘭の住民が、南北の往来に最もよく使っていた道です。けれども台三線の開通により、行き交う人がどんどん少なくなり、ついには知る人ぞ知る秘境となったのです。
補修が完成した歩道はいくつもの区間から構成されているので、ご自分の体力と好みに応じてトレッキングコースを選ぶことができます。北セクションと南セクションに大まかに分けられ、北セクションは南湖国小から石門客桟まで。多くが稜線上を通るため、視界が樹木に遮られなければ麓の景色が俯瞰できます。南セクションは石門客桟から新開国小までで、産業道路となっています。
「老官道」のトレッキングでは果樹園、古い家屋など地元の暮らしが垣間見られる他、歷史的意義の高い記念碑がいくつも潜んでいます。中でも義和村と栗林村の境目にある「境界標」は、当時の警察が、この碑を用いて管轄区を分けていたことが碑文から判断できます。別の二基の碑は隘勇線(先住民生活圏との境界に設置した防御ライン)で起きた事件を記念するものです。
古道は普段は行き交う人が稀なため、茂った草や倒木に遮られていることもあり、秘境を探検するような気分が味わえます。と言ってもところどころに設置された「クスノキの細道-老官道」の指標か「クスノキの細道」の黄色と青色の二色の横断幕に従い進めば、道に迷うことはありません。
北端入口から「老官道」へ入ると、原始の山林が目に飛び込んできます。耳元には鳥のさえずりとキョンの鳴き声が聞こえ、ここが野生動物たちの生息領域であることがわかります。沿線には幽玄の趣が漂うマダケの林が広がり、インスタ映えも間違いなしです。竹林は日を遮ってくれます。涼風がそよぎ、炎暑の真夏でも心地よくトレッキングが楽しめるでしょう。
「老官道」の沿線には、油茶樹(ティーツリー)園、ナシ園、ミカン園などの畑や果樹園が続きます。放置された牧畜場もあり、牧畜場の脇には「竹小舞土壁」工法で作られた古い建物があります。竹、泥、稲藁、籾殻など自然の材料で作られており、築50年を超えています。
南セクション産業道路の脇には展望デッキがあり360度をぐるりと見渡すことができ、馬那邦山、関刀山などの山並み、鯉魚潭ダムと支流の水の景色を目に納めることができます。隠れた絶景スポットです。
キャンプは近頃大人気の旅のスタイルです。「老官道」周辺にも新しいタイプのキャンプ場がたくさんあるので、家族揃って自然に親しむ旅はいかがでしょうか?キャンプの際に「老官道」でトレッキングを楽しめば、豊かな野趣に癒されるでしょう。
「福徳祠」または「土地公」は、客家の人々には「伯公」と呼ばれ、たいへん重要な民間信仰です。大湖鄉には伯公廟を巡る遍路道「伯公遍路」があります。大部分は大窩地区で、沿線には大小さまざまな伯公廟が点在しています。伯公廟の中には、古くからの簡素な石造りのままのところも、外観に新しい装いと構造を加えたものもありますが、どの伯公廟もそれぞれの物語と姿を擁し、一つ一つ訪ねてみたいものです。
穿龍圳は開拓民が水を引いた灌溉施設で、百年以上の歷史を有します。2019年客委会は「ロマンチック台三線芸術祭」を開催。大窩会場では「大窩穿龍圳ランドマーク芸術祭」として四人のアーティストが参加し、三両三駐車場周辺に「奉茶惜福」、「生命の鑿痕(ノミ跡)」、「茶窩」、「編織記憶」の四つのインスタレーションが創作されました。
大湖亀山にある法宝寺には多くの史跡が残っています。遥拝所に残る二基の石灯籠をはじめ、ここには完全に保存された日本式の墓「林田家の墓」、異鄉で命を落とした日本軍の慰霊碑、日本統治時代に警察が建立した「忠魂碑」が立っています。日本統治時代の昭和10(1935)年に発生した「新竹州関刀山大地震」で苗栗大湖は甚大な被害を被りました。ここには、この震災一周年を記念して建立された「震災記念塔」も残っており、2019年苗栗県政府により歷史建築に登録されました。
苗栗駅から「5656A\5656Bバス」に乗り「南湖国小」で下車後、南へ徒歩約 250メートル行くか、または「和興」で下車すれば「老官道北口」到着
苗栗駅から「5656バス」に乗り「大湖」下車後、「 5655バス」に乗り換えて「新開」下車。台 3 線を100 メートル戻れば「老官道南口」到着