客家委員会（客委会）がAction eXtreme Networkチャンネル（AXN 67）と共同で制作したオリジナルマルチメディア作品『樟の細道の秘密』。そのワールドプレミア記者会見が本日(14日)国立台湾博物館南門園区小白宮で開かれました。客委会の楊長鎮主任委員は「『樟の細道』は台湾に暮らす人々にとって共通の巡礼路。世界史における台湾産業の重要性を示しており、エスニックグループの空間的な広がりにおいても重要な意味を持っています。ここを歩く時には、みなさんが先住民の古人に敬意を払い、客家の古人にも敬意を払ってくださることを願っています」と述べました。
さらに楊主委は「Raknusはサイシャット族とタイヤル族の言葉で『樟』を意味し、Seluは『細道』の客家語です。この象徴的な名前には、生活エリアが重なったことで衝突していたエスニックグループが、街道が性格を変えたことで和解につながったという過去を含んでいます。空を隠すほど木々が鬱蒼と茂るこの山中の小道は、国際貿易が盛んになるにつれて、最後には大洋から伸びる航路へとつながり、さらにロンドン、アムステルダム、ニューヨークなど世界の重要都市へとつながっていきました。この道が生まれた時代は大航海時代。台湾を世界につなげた道だったのです」と述べました。台湾の山林の美しさは国際的に知られており、文化の厚みは人々を惹きつけてやみません。中でも「樟の細道」は現在台湾で最長の国立自然歩道であり、同時に「樟脳王国」と「茶葉富豪」の輝かしい歷史を背負ってもいます。今回AXNと共同で制作した「樟の細道の秘密」は、「樟の細道」にまつわる各地の物語を深く掘り下げ、開墾に奮闘した客家の民の力強い意志と感動的な物語を描き出しています。このドキュメンタリーをきっかけに、一人でも多くの方がこの古道を訪ね、厚くて深い歷史の魅力に触れてくれることが期待されます。
「樟の細道(Raknus Selu Trail)」は全長380キロ。桃園龍潭を起点に台中東勢まで伸びています。主に客家集落が点在する台三線に沿って台湾島を縦に走り、旧街道、農道、登山道をつなげており、往時は樟脳と茶葉を世界各地へ輸出するため、国際貿易と密接な関係がありました。「樟の細道の秘密」は放送文化金鐘賞の受賞者である温士凱と、世界中で70を超える国を訪ねてきたイギリス人ベテランカメラマン、クリス・ストワーズ (Chris Stowers)が「樟の細道」を旅しながら、文化、生態、歷史、産業の面から、その物語を探ります。カメラマンであるクリス・ストワーズの視点と、地元に造詣の深い温士凱が、古道の歴史、客家文化の独自性とすばらしさを世界に発信し「細道」が内包する「大道」精神を表現します。
『樟の細道の秘密』は先日「世界トレイルズフィルムフェスティバル(World Trails Film Festival)」に入選。海外の旅人たちから注目を集めています。初放映は9月27日、AXNチャンネルで。2022「世界トレイルズフィルムフェスティバルin台湾(World Trails Film Festival in Taiwan)」でも 10月2日に放映されます。
300年余りの歷史を有する「樟の細道」はいくつかの古道で構成されています。『樟の細道の秘密』は桐の花見が楽しめる「RSA08小粗坑古道」、高い工芸技術が再現された「手作り歩道」とも言われる「RSA13渡南古道」、物資輸送と人の移動における幹線道路であった「RSA27石峎古道」、生態系の多様性が飛び抜けて高い「RSA41鳴鳳古道」、美しい環境で史跡が豊富に残る竹林の秘境「RSA54老官道」、「聯姻の路」とも呼ばれ客家人と先住民との縁組を仲立ちしてきたロマンチックな古道「RSA59穿霧隘勇古道」を映し出します。癒しの古道の麗しさを深く感じることができるでしょう。
AXN『樟の細道の秘密』予告編URL：https://youtu.be/PjqbKSlnGOY
AXN『樟の細道の秘密』出演者紹介URL：https://youtu.be/C8wwfbAcpsE
AXN『樟の細道の秘密』古道紹介：https://youtu.be/0fhcs1_2fME
AXN『樟の細道の秘密』放映時間：
アジア初放映時間：2022/9/27 20：30
台湾初放映時間：2022/9/27 21：00
台湾再放映時間：2022/9/28 09：30、13：30
資料出典：客家委員会ワールドワイドウェブ